Digital Legacy
祖父の声は、いつでも聞けると思っていた
めったに話さなかった思い出を、祖父はようやく録音するようになった。携帯は残した。でも、コピーを取ることは考えていなかった。
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この記事の内容
祖父は、およそ50年もの間、ベトナムでのことを話さなかった。感謝祭でも、家族が集まったときも。いろいろな経験をしたことは知っていた。でも、その中身はほとんど知らなかった。
70代になってスマートフォンを持つと、祖父は自分の話を録音し始めた。ジャングルのこと。帰ってこなかった友人のこと。写真だけでは知ることのできない話だった。
祖父が亡くなったとき、軍の正式な礼遇を伴う葬儀で見送った。携帯は手元に残った。その中には、あの録音が入っていた。
別の場所にも保存しておく必要があるとは、考えていなかった。ようやく気づいたときには、携帯の電源は入らず、ロック解除のパスコードも分からなくなっていた。
ファイルを復元できるかどうかは分からない。今は再生できない。それだけは確かだ。携帯を持っていれば、声も残っていると思っていた。その二つが違うことだと気づいていなかった。
残しておきたかったもの
思い出すのは、祖父の話し方だ。言葉の間の沈黙。誰かの名前を口にするときの声。文字にすれば言葉は残る。でも、あの感じまでは戻ってこない。
戦争の話でなくてもいい。動画の後ろで聞こえる笑い声、誕生日のメッセージ、何げない会話。後になって何を恋しく思うかは、そのときには分からない。
自分の家族なら、そうしたものはどこにあるだろう。古い携帯、カメラのメモリーカード、チャットの中。誰か一人は場所を知っているかもしれない。でも、ほかの家族も知っているとは限らない。
いつも後回しにしていた
もっと早く動けなかった理由は分かる。何かを失いたかったわけではない。保存することを、一つのやるべきこととして考えていなかった。携帯はそこにあった。あとで開けばいいと思っていた。
自分のファイルでも、同じことをしている。写真の整理はまた今度。会話のコピーは機種変更のときに。問題なさそうなフォルダーを整理するより、急ぎの用事はいつでも見つかる。
あのとき、一つだけ聞いておけばよかった。この携帯が明日壊れたら、ほかのどこで祖父の声を聞けるだろう。そして、ほかの家族にもその場所が分かるだろうか。
この経験が、MemoraKeepを作っている理由だ。家族の思い出を集め、保存し、受け渡しやすくしたい。その方向に向かって開発している。アプリ一つですべてを永遠に残すとは約束できない。祖父の携帯に起きたことも、なかったことにはできない。今できることは機能ページにまとめている。
一つの声から始める
今夜、一生分の整理をする必要はない。なくしたくない録音や写真、動画を一つ選んで、元の携帯とは別の場所にコピーする。そのコピーを開いて、きちんと再生・表示できるか確認する。
ほかの人にも分かる名前を付けよう。人の名前、分かれば日付、どんな場面かを一言。信頼できる人に保存場所を伝え、必要なときに安全にアクセスできる方法を決めておく。さらに別の場所にもコピーを置き、ときどきファイルを確認する。
録音に登場する人の気持ちも大切にしたい。残しておきたいものが、そのまま公開していいものとは限らない。手がかりが必要なら、家族の会話を残すための手順も参考にしてほしい。
祖父があの話をする声を、もう一度聞けたらと思う。今は聞けない。でも、今日ならまだ残せる声が、あなたのそばにあるかもしれない。そこから始めてほしい。
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